夢と読書 一期一会BOOKS

日々読んだ本をご紹介。「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて販売中です。

【感想】『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』佐々木 典士(株式会社ワニブックス)――❝増えすぎたモノを減らすことは、幸せについてもう一度、考えてみること。❞

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 もう年末ですし、片づけや掃除をしなければ、と思っている人は多いのではないでしょうか。

 

 こんにちは。

 「夢と読書 一期一会BOOKS」の萌菜花です。

 

 今回の本はミニマリストの草分け的存在である佐々木 典士(ささき ふみお)さんの著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(株式会社ワニブックスです。

 

 わたしはこの本を読むのに1か月もかかりました。

 なぜなら、読んでいる途中で自分の部屋が気になってしまい、そこから読書そっちのけでモノを捨てる作業がはじまってしまったからです。

 この本を読むと、なぜだか片付けの意欲が湧き、本を読んではモノを捨て、片づけ、掃除をして、また本を読んで……と繰り返していていたため、時間がかかってしまいました。

 

 わたしはこのブログでいくつか掃除や片付けの本をご紹介してきましたが、実はざっと5年前まで、床も見えないほどの汚部屋で生活していました。

 その頃は「いつか絶対に綺麗な部屋に住むんだ……!」と思うばかりで行動ができず、好きなモノを好きなだけ買っては満足し、減らしても増やした量が上回り、きれいになることはありませんでした。

 それが、定期的に片付けや掃除の本を読み、また動画や画像を見ることで刺激を受け、少しずつモノを減らしていったことと、無職になったことで新しく何かを買うお金そのものを制限せざるを得ない状況になり、だんだんモノが減っていきました。

 

 この本を読んでいた1か月で、何年も使っていなかったゲーム機やミシンなどの、「売りに行く手間が面倒で放置していたモノ」を手放すことができ、それに加えてゴミ袋2袋分はモノを捨てることができました。

 

 この本のどこがわたしの意識を変えたのか? 誰でもそうなってしまうのか? モノを減らしたその先に待っていることはなんなのか? などなど、この本がもたらすすごい力についてお話しようと思います。

 

 ちなみにわたしの部屋はまだまだ片づけの途中ですが、常にピカピカの床が見えるようにまでになりました。

 

 

 

 

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』のあらすじ

 

 汚部屋からミニマリストになり、生き方ががらりと変わった佐々木 典士さんによる、モノを減らすことで幸せを手にするための本。

 

 ここでいう「ミニマリスト」とは、

①自分に必要な最小限にすること

②大事なもののためにそれ以外を減らすことを「ミニマリズム

 上記を行う人のことである。

 

 本書ではミニマリストの定義から、人とモノの関係性、実際にモノを減らす方法、モノを減らしたことで起こった変化、モノが少なくても幸せな理由が書かれており、いずれも佐々木さんの実体験がもととなっている。

 

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』と佐々木 典士さんについて

 

 

 著者:佐々木 典士

 定価:1,000円+税

 2015年6月30日 初版発行

 (株式会社ワニブックス

 

 佐々木 典士(ささき ふみお)

 

 1979年生まれ。香川県出身。

 早稲田大学教育学部卒業。

 学研『BOMB』編集部、INFASパブリケーションズ『STUDIOVOICE』編集部を経て、ワニブックスへ。現在はフリーになっている。

 2010年頃からモノを手放しはじめ、ミニマリストとなる。

 2014年にクリエイティブディレクターの沼畑直樹とともに、ミニマリズムについて記すサイト「Minimal & Ism」を解説。

 2015年に発行された著者初の本『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は、現在26か国語に翻訳され、増補文庫版が発売されている。

 

 公式X公式サイト「Minimal & Ism」

 

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』の感想

1 モノからの無言の圧力を感じるようになった

 

 あなたの部屋を見渡してみてください。

 何年も使っていないモノ、実は大事ではないモノ、お気に入りでないモノ、後回しにしているモノ、汚れているモノ、壊れているモノ、定位置でない場所にあるモノ、などはありませんか?

 それらを、見て見ぬふりしていませんか?

 

 この本のなかでは、

 

 必要以上のモノはエネルギーも時間も、すべてを自分から奪っていく。

 

 モノだからといって、ただ黙って置かれているわけではない。置かれたモノはメッセージを発している。特に大切に扱われていないモノであればあるほどそのメッセージは強い。

 

 とあり、これらの文を読んで確かに、と思ってふと部屋を見渡したとき、モノからの「無言の圧力」――ここでいう「メッセージ」が突然聞こえてきました。

 

「わたし、何年もこの場所にいて、ホコリ被ってるんだけど?」

 

 という、たしかな言葉が。

 あっ、き、きみたちは買ってテレビにつないで数回遊んだだけで満足して、以降使わないから買取に出そうとして何年も放置していたゲーム機さん(×2)……!

 あ、あなたは推しの限定レコードを聴くために買ったけど一度だけ再生して満足して「いつかレコードを流しながらゆっくり過ごしたいなぁ~」なんて思ったまま何年も経ってしまったレコードプレイヤーさん……!

 はっ! あなたたちは一度読んで満足して、解体してファイリングもすることなく本棚に放置されている雑誌さんたち……‼

 

 それからは、居ても立っても居られなくなり、それらを手放しはじめました。

 まだ途中ですが、本を読む手を止めては手放す準備をして買取に出したり、フリマアプリに出品したりしています。

 そして、手放したことで「いつかしよう」と思って何年も消せずにいたタスクがようやく減らせて、ほっとした自分もいます。

 

 以前、このブログで紹介した『おしゃべりな部屋』川村元気近藤麻理恵中央公論社では、モノの声が聞こえる主人公・ミコが出てきます。

 この本を読んだときは、「うちの部屋のモノもこんなことを言っているのかも……」と想像したものですが、いまではこの主人公・ミコちゃんのように声が聞こえるまでに成長?しました。

 

 わたしのように、あなたもこの本を読んでいる途中で、モノからの「無言の圧力」や「メッセージ」が聞こえるようになるかもしれません。

 そうしたら早いうちに行動に起こしてしまいましょう。

 

 

2 モノが増える理由と片づけ方がわかった!

 

 定期的にモノを減らしているはずなのに、なぜか減らない、むしろ増えている……どうやって片づければいいの⁉ と思っている人もいることでしょう。

 この本では、そんな「モノが増えていく理由」が第2章でわかりやすく解説されています

 

 結論から言うと、人は「慣れ」て、「飽きて」しまうから。

 そして、「現在」を元に「未来」を想像してしまうから。

 さらに、「自分の価値」を表現するために、モノを増やしてしまうから、モノが増えてしまうのです。

 

 これだけを聞くと、よくわからないかもしれません。

 

 たとえば、せっかく背伸びして買ったワンピースも、何度も着ていくうちに最初に買った喜びを忘れてしまいます。

 そうして飽きてしまって、次を買ってしまうのです。

 そのとき、そのワンピースを手放せばモノの量は増えないけれど、その存在を忘れていたり、手放すのが面倒で奥に移動させたりしていると……クローゼットはいつしかパンパンになっていまいます。

 でもそんな「未来」って、買うときには想像できなかったですよね?

 年末年始や季節の変わり目には、バーゲンだ! お得だ! たくさん買っちゃえ! とたくさん服を買ったはいいけど、一部の服しか着なかったり……。

 案外、着ていない服をそのままにしていて、「たくさん服はあるのになぜか着る服がない」という現象に見舞われた人は少なくないと思います。

 

 佐々木さんは元マキシマリスト(モノをいっぱい持っている人)で、周りの目を気にして、自分をカッコよく見せるためにたくさんモノを持っていました。

 けれど、それらのモノは容赦なくエネルギーと時間を奪います。

 モノが増えることによって喜びや幸せを得ていたはずが、増えすぎたモノによって悪影響を受けるようになっていきます。

 まず、モノが多いと掃除や片付けが億劫になる。そのせいでなんだか落ち着かず、居心地が悪くなる。自信もなくなる。気分がふさがる。ホコリやカビでこころだけでなく身体にまで影響が出てしまう……。

 

 つらいですよね。嫌ですよね。掃除も片付けもできない自分に腹が立って、情けなくなってしまいますよね。

 

 でも大丈夫、第3章には捨て方が書かれています。

 必要以上のモノに心苦しい思いをしているなら、これからちょっとずつ手放していきましょう。

 複数の捨て方書かれていますので、自分に合った方法で少しずつはじめてみてください。

 

 そのとき、最初に書かれていた、

 

 増えすぎたモノを減らすことは、幸せについてもう一度、考えてみること。

 

 という一文が、重要になってきます。

 

3 モノを減らすとメリットがたくさん!実際にメリットを体感できた

 

 モノを減らすことは、正直に言って大変です。

 何年も使っていないモノ、実は大事ではないモノ、お気に入りでないモノ、後回しにしているモノ、汚れているモノ、壊れているモノ、定位置でない場所にあるモノなど、「部屋にあるモノ」と「そうしてしまった自分」とに向き合わなくてはなりません。

 それは、精神的にも、身体的にも負担のかかる作業です。

 

 では、そうやって、頑張って、時間をかけて、モノを必要最低限まで減らすとどうなるのか?

 

 佐々木さんは、モノを減らしミニマリストになった結果、「ただ生きてるだけで、楽しくなってしまった」そうです。

 

 モノを減らしすぎると楽しみまでなくなってしまいますが、モノの量が「自分にとって必要最低限」になると、まず時間ができます。

 それから、ダラダラしなくなるし、探し物や忘れ物も減るので、こころに余裕ができます。

 そしてなぜだか痩せます。

 さらにお金を無駄に使いにくくなります。

 さらにさらにポジティブになり、感謝をするようになります。

 

 驚くくらいに良いことがいっぱいで、こんなに良いことが本当に起こるのなら、モノを減らしてみようかな、ときっとあなたも思えてきたはずです。

 

 わたしはまだ片付けの途中ですが、床にモノがないことで、掃除がとてもしやすくなりました。

 だいたいの置き場所も決まっているので、少々散らかして、床にモノを置きっぱなしにして次の日を迎えてしまっても、ちゃんと元の場所に戻すことができます。

 朝起きて、何もないきれいな床を見ると、それだけですっきりとした気分になります。

 掃除をするとなんだか体があったかくなって、冬でも空気の入れ替えをするようになりました。

 5年前の床が見えない状態の生活から比べたら、もうすでに生活は一変しています。

 これからもっと片づけを進めれば、もっと素敵な未来が待っていると思います。

 体重も減るのかな? とても楽しみです。

 

 この本を読むのに1か月もかかってしまいましたが、わたしはこの1か月で変わりはじめました。

 ですから、お部屋を片づけたくても行動ができない……という人はぜひ読んでみてください。

 

このブログ内で紹介した片付け&掃除の本一覧!まとめて読んで実践してみよう!

 

 このブログでは、先ほどご紹介した『おしゃべりな部屋』川村元気近藤麻理恵中央公論社の他に、あと5冊片づけ本またはお掃除の本の記事を掲載しているので、あわせてご紹介します。

 それぞれアプローチが違うので、自分に合った本を選んでみてくださいね。

 

 

 

 わかっていても一度ソファーに座ってしまうと、もう夜。

 そんな「後回し癖」のあるわたなべぽんさんが、とある事件をきっかけにズボラ習慣をリセットし、豊かな生活を取り戻すまでの実体験を一冊にまとめたコミックエッセイ。

 文章を読むのが苦手、面倒くさがりの人におすすめの読みやすい本です。

 

  • 『どうして私、片づけられないの?』櫻井公子(大和出版)

 

 ※こちらは電子書籍のリンクです。

 

 ADHDの研究・診療をしている櫻井公子Dr.による、ポジティブなマニュアル本。

 片づけが苦手、遅刻癖がある、モノがなかなか捨てられない、人間関係がうまくいかない……そんな人や、周りにそういうタイプの人がいるよ、という方におすすめの一冊です。

 やさしく「そんなことってあるよね」と寄り添ってくれるので、とても救われます。

 

  • 『デスクと気持ちの片づけで 見違える、わたしの仕事時間』Emi(株式会社ワニブックス

 

 

 こちらは生活収納アドバイザーであり、双子の母、会社の取締役でもあるEmiさんによる、仕事と気持ちの片づけの本。

 実際にデスクを整理した実例が写真と共に掲載されているため、真似しやすく参考になります。

 限られた時間のなかで働く子育て世代の方におすすめの本です。

 

  • 『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。』平野ノラ(株式会社KADOKAWA

 

 

 平野ノラさんは、実は、芸人をはじめる前は汚部屋に住んでいたそうです。

 経験者ゆえの説得力のありすぎる言葉と、1日15分でできるノラ式実践法は必見です。

 人生の転機には必ず片づけをしてきたという平野ノラさんの言葉で、片づけのモチベーションを上げたい人におすすめの一冊です。

 

  • 『神さまがやどるお掃除の本』きさいち登志子・久保田裕道(株式会社 永岡書店)

 

 

 わたしがいちばんすごい、と感じたのがこの本。

 どの部屋にどの神さまがおられて、どういうふうに掃除をしたらいいのかまで書いてあって、「掃除をするといいことがあるのかも!」と思うことができ、掃除のハードルが一気に下がります。

 実際に神さまやご利益を意識して掃除することで、良い効果がありました。

 それに、掃除をすることは自分や家族を大切にすることにもつながるのだと気づくことができました。

 大掃除をしている今の時期にぴったりの一冊です。

 

 これらの本をご紹介した記事のリンクは一番下にまとめて貼ってありますので、気になる記事があればぜひ読んでみてください。

 

『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』のまとめ

 

 ミニマリスト=「極限までモノを少なくしている人」と思っている人もいるようですが、正しくは「自分にとって必要最低限の量を持っている人」がミニマリストであるとこの本では語られています。

 ですから、極端に数を減らさなくちゃいけないわけではないので、たくさんモノがあっても、本当に必要なものであるならそれでいいのです。

 

 逆に、わたしのようにただモノが多い人は、読んでいる途中でそわそわしだすと思うので、片づけをきっかけに変わりたい! と思う人はぜひ読んでみてください。

 

 

 こちらは現在、わたしのちいさなフリマのお店「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて販売中です。

 中古でも良いし安く買いたい、という方は⇧からどうぞ。➡売り切れました。

 

 ちなみに増補版も出ているようなので、機会があればこちらも読んでみたいです。

 

 

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今回ご紹介した本のくわしい感想はこちらです⇩

 

monaka-74.hatenablog.com

 

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