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北関東にある小さな駅野原駅。
その跨線橋に直結した、いわゆるエキナカにある本屋さん。
その名も<金曜堂>。
地元野原高校の読書同好会に所属していた同級生3人が営んでいる。
その本屋さんの秘密は、なんと地下。
その地下には、こぢんまりとした本屋さんからは想像できない光景が広がっていた!
こんにちは、「夢と読書 一期一会BOOKS」の萌菜花です。
本日ご紹介する本は『金曜日の本屋さん』です。
そこは、『読みたい本が見つかる』と噂の本屋さん。
野原高校という、生徒数3000人のマンモス校の通学を支える野原駅直結、喫茶スペース完備、野原高校の生徒をターゲットに日々フェアを行う小さいけれど聞くだけでわくわくする本屋さん。
読むと絶対に行きたくなるはず……!
そんな理想の本屋さん<金曜堂>を舞台にしたお話です。
どんな本?
大学生の倉井史哉は、とある一冊の本を探すため、『読みたい本が見つかる』と噂の本屋さん、<金曜堂>を訪れる。
明るい笑顔で出迎えた店長・南槇乃さん。喫茶スペースで、書店員なのにバーテンダー姿で珈琲を注ぐ(ちなみにサイフォン式)栖川さん。そして金髪角刈り! 紫スーツのオーナー、ヤスさんの同級生トリオが営む小さな本屋さんで、史哉の探している本は見つかるのか?
そして、エキナカにあるこの<金曜堂>には、更なる秘密が隠されていた――!
読んでいる途中から、お話の中に出てくる本が読みたくなる、本のことが好きになる、そしてきっと<金曜堂>に行きたくなる!
本屋さんを舞台にしたハートウォーミングストーリー。
本と著者について
金曜日の本屋さん
著者:名取 佐和子
定価:600円+税
2016年8月18日 第1刷発行
(ハルキ文庫)
名取 佐和子(なとり さわこ)
兵庫県生まれ。明治大学卒業。
ゲーム会社に勤め、その後フリーとして独立。ゲームやドラマCDのシナリオを手がける。
作家としては2010年『交番の夜』でデビューした。また、『ペンギン鉄道なくしもの係』で第5回エキナカ書店大賞第1位に選ばれた。
そのほか、『シェアハウスかざみどり』などの著書がある。
読んでみてどうだった?
1 同級生トリオのことが気になる!
先ほどもご紹介した通り、<金曜堂>は店長の槇乃さん、書店員なのにバーテンダーな栖川さん、金髪角刈り紫スーツのド派手オーナーヤスさんの同級生トリオが営んでいます。
それぞれに個性があって、蔵書の記憶力が半端ない槇乃さん、器用で珈琲を淹れる手つきが様になりすぎている栖川さん、そしてギャップが愛おしすぎるオーナーのヤスさん。まー個性的。
この、一件共通点のなさそうな3人を繋いでいるのが、――本。
3人は同じ野原高校の読書同好会の元メンバーで、正直あんまり高校の頃のエピソードは語られていないのですけど、だからこそ、この3人の出会いが気になります!
どうも調べてみたら『金曜日の本屋さん』はシリーズ化されているようで、続きが何冊か出ています。その中できっと語られているのでしょう……。
ヤスさんは見た目めちゃくちゃ怖いですが、3人とも優しい人ですのでご安心を。
だからこそ、わたしは<金曜堂>に行きたぁい!
読みたい本が見つかるし、イケメンが珈琲を淹れてくれるし、ヤスさんとは……初対面では話せる自信がないけど、わたしよりは確実に読書家なので、本の話をして打ち解けたい!
主人公は倉井くんなのですが、読んでいると気になってくるのはこの3人の存在だと思います。
倉井くんも良い子なのですけどね。
2 お話に出てくる本が読みたくなる!
このお話の中では、いくつかの実際に存在する本が出てきます。
それらの本の内容に絡めたお話になっているので、知らない本でも既読の本でも読みたくなるんです。
たとえば、レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』。
この本が好きな登場人物が出てくるのですが、当然<金曜堂>の3人も読んだことがあるようでした。
その人がきっかけで倉井くんも『長いお別れ』を読むのですが、話の中では最後の是非についてそれぞれの意見を交わし合います。
このお話の中で出てくる本を知らなくても、もちろん楽しめるようにはなっているのですが、内容について意見を交換しているところには読んでいないと入っていけません。
わたしは『長いお別れ』を読んだことがなかったので、とても長い本なのだそうですが、いつか読んで話に加わりたい! と思ったのでした。
その他にも、朗読会「かすてら」は、『ぐりとぐら』のかすてらから名前をとったそうで……。
「マジか? フライパンで作る黄色いやつだろ? あれってホットケーキじゃねぇの?」
とわたしの声を代弁するかのごとく、ヤスさんが言ってくださりました。
『ぐりとぐら』はもちろん知っているし、読んだこともあるのですが、わたしもホットケーキだと思っていました。
今は文庫本を中心に読書を楽しんでおりますが、児童文学や絵本にも興味があるので、また機会があれば読み返してみようと思います。
そのときわたしはたぶん、「ほんとだ! かすてらだった!」と声に出して驚くことでしょう。
他にもいくつかの本が出てきます。
この本を読んでこの人物はこう思ったんだな、とか、考えてみたい。
本が出てくるお話は他にもたくさんあります。
そういったお話がきっかけで新たに本を読むのも素敵ですね。
⇧こちらは中古になります。
3 気になる! <金曜堂>の秘密
<金曜堂>は野原駅のエキナカ、跨線橋のふもとにあります。
≪さほど広くない売り場≫とありますし、エキナカにある本屋さんなので、そこまで広くないはず。
しかし、この本屋さんには喫茶スペースがあります。
立派なカウンターがあり、レトロなオレンジ色のシェードが本格的。
そこで本を読んだり、珈琲を飲んだり、軽食を食べたりして、次の電車を待つことができるんだとか。
それだけでもう最高ですよね。
近くにあったら常連になりたい!
この<金曜堂>は、『読みたい本が見つかる』とネット上でも噂になっています。
それは、どういう意味なのでしょうか。
たとえば店長の槇乃さんが、本をすすめてくれるとか。
あるいは「この本を探しているんです」といったら、実際に本を持ってきてくれるとか。
後者だとすれば、膨大な在庫を店舗とは別に置くスペースが必要になります。
そんなところ駅の中になくない?
いいえ、あるんです!
そう、地下に!
それ以上はネタバレになるので言えませんが、地下に本を置いておく場所がある、それだけでわくわくしませんか!?
お客さんにもなりたいけど、むしろ店員さんになって同級生トリオと他愛もないお話をしたり、本をおすすめしてもらったり、地下の在庫を眺めていたい。
しかし、どうしてそんな地下室ができたのか? オーナーのお仕事は? と読んでいると疑問がいっぱい浮かぶはず。
その秘密の一部は……この本の中で明らかになります。
まとめ
当ブログではこの本を含め、29冊の本をご紹介してきましたが、読書はとても楽しく自由なものであるし、読みたい本がまだまだあるなと思わせてくれた一冊でした。
読書をすると人それぞれの感想を抱くと思うのですが、それでいいんです。
店長の槇乃さんが倉井くんに言った、
「読書は究極の個人体験です。人によって響く部分が違うのは、当たり前なのです。作者の思いやテーマを汲み取る努力を、読者がしなければならない義理はありません。好きに読めばいいんです。感想を誰かと同じになんかしなくていいんです」
という言葉にわたしはすごく勇気をもらいました。
これからもたくさん本を楽しんでいきたいと思います。
そして、気になる記事をお読みいただいて、少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。
気になる方はぜひ、読んでみてください。
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余談ですが、わたし「ハルキ文庫の本が好きなんだな!?」と気づいたので、カテゴリを追加しております。
お気に入りの本が見つけやすくなれば嬉しいです。
それから作者別のさくいんのようなページも、後々整備していく予定です。
今度ともよろしくお願いいたします。