夢と読書 一期一会BOOKS

日々読んだ本をご紹介。「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて販売中です。

だが、ここに綴った風景達は、きっと僕を殺したりしないだろう。――東京百景(又吉直樹)

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 こんにちは、「夢と読書 一期一会BOOKS」の萌菜花です。

 

 今回ご紹介する本は「東京百景」です。

 エッセイが好きなや、クスリと笑える本を探しているなどにおすすめの一冊です。

 本の情報と本の内容感想を本の中の言葉を引用しながら書きたいと思います。

 気になる方はぜひ、最後まで読んでください。

 

 なお、こちらは「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて、実際に販売中の商品になります。 ➡ 売り切れました。 

 

 

 

 

 

 

この本について

 

 

東京百景

 

 著者:又吉直樹

 定価:1,300円+税

 2013年9月26日 初版発行

 (ヨシモトブックス

 

 又吉 直樹(またよし なおき)

  1980年大阪府生まれ。

  よしもと所属のコンピ「ピース」として活動するお笑い芸人。

  『キングオブコント2010』準優勝。TV番組の出演のほか舞台の脚本も手掛ける。

  著書に『第2図書係補佐』、共著に『まさかジープで来るとは』、『新・四字熟語』などがある。

  初の小説『火花』は第153回芥川賞を受賞した。

 

 

どんな本?

 

 18歳で大阪から上京し、32歳までの東京での暮らしを描いた100篇のエッセイ

 三鷹、武蔵野、下北沢、日比谷、原宿、吉祥寺、立川、高円寺、巣鴨、世田谷など、都内にある100の場所の思い出がユーモアのある文章で綴られています。

 

 エッセイが好きな方クスリと笑える本を探している方東京に行ったことはないけど雰囲気を味わいたい方などにおすすめの一冊です。

 

 

読んでみてどうだった?

 

上京した気分が味わえる

 

 東京は、全国から夢を叶えるために人が集う場所。

 又吉さんは、18歳のとき、大阪から芸人になるために上京されました。

 太宰治などの文学をたしなんでいたこと、お金がなかったこともあり、風呂なしアパートに住まれていました。それがまた、いいんです、すごく。

 売れていなかった当時の話や、後輩と飲みに行った話、先輩とサッカーをした話、バイトがなかなか決まらない話、当時お付き合いをしていた彼女の話、など、等身大の話がたくさんあって、まるで自分が上京したかのような気分が味わえます

 

 また、なんとなく聞いたことのある地名がたくさん出てくるので、グーグルマップなどで調べながら読むのも楽しいです。

 又吉さんが静かな場所を好まれていることもあり、東京にはこんなに神社仏閣があるのだ、と知ることができました。

 

 

又吉さんについても知ることができる

 

 又吉さんは見た目の通りの印象があり、あまり他者と交流をされないタイプの人なのかと思っていたら、いい意味で裏切られて驚きました。

 高校生のときはサッカー部だし、友人や後輩や先輩との話はたくさんあるし、ただ性格がネガティブ、というだけで、「ネガティブ=人見知り」ではないのだと気づかされました。

 そして、これだけ長く芸人を続けてこられた強さもあります。

 いくつか作中で好きな言葉があるのですが、

怖いこと、嫌なことから逃げずに、たまにではあるが、試しにやってみたからなんとか生きてこられた。

 という言葉に励まされましたし、

死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までのフリなのだと信じるようにしている。

 という言葉からは芸人らしさと強さを感じました。

 

 そして文章が面白いのです。わたしは読みながら何度もふふっと笑いました。

 こんなにしょっちゅう笑う本はなかなかないと思います。

 それだけ、東京に住んでいる人が濃かったり、又吉さんの過ごした経験や文章が面白いのだと思います。

 時折妄想のようなお話もあるのですが、中にはその発想はなかった、と思う文章もありました。他の著書もぜひ機会があれば読んでみたいです。

 

 

文学の歴史に触れることができる

 

 又吉さんが読書家であるのことは有名ですが、このエッセイの中にもたくさんの本の名前や著者が出てきます。

 太宰治泉鏡花などの代表的な作家から、現在活動されている作家さんまで。

 特に現在活動されている作家さんとは、実際にイベントで出逢っていたり、お仕事をしていたり、サイン会に足を運んだり、と本当に本が好きな人なんだな、というのが伝わってきます。

 

 そして、作家のお墓や旧宅、通っていたお店なども出てくるので、そういった文章を読むだけでもわくわくしました。わたしはあまり古めのお話は読まないのですが、徐々に読み込んでいきたいなと思いました。お墓、に行くのはちょっと怖いですが。

 

 改めて東京は新しいことと古いことがごちゃ混ぜになった都市なのだなぁと思いました。

 

 

まとめ

 

 この本は文庫本も出ていますが、読むならハードカバーの方をおすすめします。

 サイズが小さいとはいえ、この味のある装丁透明なカバーがされていて1,300円は安いと思います。しっかり開き、とても読みやすかったです。

 

 又吉さんの知らない一面を知ることができ、また文学に触れたり、濃い東京の人たちの面白い話もあり、一冊に魅力がたくさん詰まっています。

 気になった方はぜひ読んでみてください。

 

 

 

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