こんにちは、「夢と読書 一期一会BOOKS」の萌菜花です。
今回ご紹介する本は「あつあつを召し上がれ」です。
ごはんや食べ物が好きな人や、日常を描いたおなはしが好きな人におすすめの一冊です。
本の情報と本の内容、感想を本の中の言葉を引用しながら書きたいと思います。
気になる方はぜひ、最後まで読んでください。
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この本について
あつあつを召し上がれ
著者:小川 糸
定価:1,300円+税
2011年10月30日 第1刷発行
(新潮社)
小川 糸(おがわ いと)
1973年生まれ。
著書に小説「食堂かたつむり」、「つるかめ助産院」、絵本「まどれーぬちゃんとまほうのおかし」、エッセイ「ようこそ地球へ」などがある。
2011年「食堂かたつむり」でイタリアのバンカレッラ賞を受賞した。
どんな本?
誰かと食べるご飯の美味しさや、その時間の愛おしさが感じられる7つのお話。
食の細くなったバーバに届けるかき氷。
恋人と一緒に食べる思い出のぶたばら飯。
恋人と別れる日に食べる松茸ご飯。
お嫁に行く日に作る最後のお味噌汁。
最愛の人と食べるハートコロリット。
逃避行の末に恋人と食べる最後の晩餐。
真夏に母と食べるきりたんぽ。
ふたりで食べる特別な味。
――あつあつを召し上がれ。
読んでみてどうだった?
ごはんの描写がとにかく美味しそうだった
小川糸さんの書く食事や食べ物の描写がとにかく美味しそうで、食べたことがなくても美味しそう……! と思ってしまいました。
中でもいちばん美味しそうだと思ったのは、『親父のぶたばら飯』の中に出てくるふかひれスープ。
スープの中にふかひれが入っているというより、ふかひれの周りにスープが絡み付いているような、それくらいとろとろで、おしみなくふかひれが使われていた。
こんな美味しそうなスープを、幸せなふたりが分け合って飲んでいる。
わたしは個人的にこの7つのお話の中で、このお話が一番好きです。
味の好みが一緒のふたりは絶対相性が良いはず。
誰かとご飯を食べる時間の愛おしさを感じられる
『親父のぶたばら飯』の次に好きなのが、『こーちゃんのおみそ汁』。
読みながら泣いてしまったお話です。
亡き母が亡くなる前、幼い呼春(こはる)に料理を教えていて、お嫁に行く当日の朝まで、おみそ汁を作って父子で一緒に食べる。そんなお話なのですが、亡きお母さんの想いにも、お父さんの想いにも、呼春ちゃんの想いにも泣いてしまう。
お母さんが呼春に教えたおみそ汁の作り方はかなり丁寧で、それを守って作り続けた呼春ちゃんは本当にすごいし、教えたお母さんもすごいと思うのです。
なぜなら、わたしも亡き祖母のおみそ汁をいつも楽しみにしていたのですが、作り方を教わらなかったから。
祖母は料理も編み物も上手で、もっと教えてもらうんだったな、と今でも後悔しています。
ですから、呼春ちゃんを少しだけ、うらやましいなぁと思ってしまいました。
呼春ちゃんはこのあとお嫁に行ってしまって、お父さんは一人になります。
ひとりで食べるのとふたりで食べるのは、きっと全然味が変わると思います。
だからこそ、今家族で一緒にごはんを食べられる幸せを、だいじにしようと思いました。
まとめ
小川糸さんは人気の作家さんですが、まだまだ他にも読んだことのない本がありますので、今後も読んでご紹介したいと思います。
誰かといっしょに食卓を共にすることの大切さを感じることのできる一冊です。
気になる方はぜひ読んでみてください。