夢と読書 一期一会BOOKS

日々読んだ本をご紹介。「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて販売中です。

”本には奇跡を起こす力があります”――奇跡の本屋をつくりたい(久住邦晴)



 こんにちは、「夢と読書 一期一会BOOKS」の萌菜花です。

 

 今回ご紹介する本は「奇跡の本屋をつくりたい」です。

 名前だけでももう魅力満点の本ですよね。

 本の情報と本の内容、感想を本の中の言葉を引用しながら書きたいと思います。

 気になる方はぜひ、最後まで読んでください。

 

 なお、こちらは「夢と読書(ラクマで古本屋モドキ)」にて、実際に販売中の商品になります。➡ 売り切れました

 

 

 

 

 

この本について

 

 

奇跡の本屋をつくりたい

 

 著者:久住邦晴

 定価:1,500円+税

 2018年8月28日 初版発行

 (ミシマ社

 

 久住 邦晴(Kusumi Kuniharu)

  1951年、北海道生まれ。1999年に先代の父よりくすみ書房の後を継ぐ。

  本の力を信じ、何度も経営危機を乗り越える。売れない本ばかりを集めたフェアは各メディアに取り上げられ、やがて全国的にも有名な本屋となる。

  小中高生に向けた本を集めたフェアは道内をはじめ全国の書店に広がっている。

  2017年肺がんのため死去。享年66。

 

 

どんな本?

 

 波乱万丈な人生を送り、本屋のために生きた久住邦晴さんの遺稿を書籍化した一冊です。

 

 久住さんは1946年に父が創業した「くすみ書房」を1999年に継ぎ、何度も経営危機や大切な家族との別れを乗り越え、2015年に惜しまれつつ閉店するまでお店を守り抜きました。

 悲しみのどん底で一時は閉店する決意を固めた久住さんは、再起するために読書をします。

 それは以前にもピンチの時に本に救われたことがあったから。

 そして、その時ある一冊の本に出会い、ピンチをチャンスに変える企画を思いつくのでした――。

 

 これは、多くの人に支えられながら、何度も奇跡を起こした本屋と、病に侵されながらも最期まで構想し、諦めなかった「奇跡の本屋」のお話です。

 

 

読んでみてどうだった?

 

本屋の経営を維持していく難しさを知った

 

 この本を読んでわかったのは、小さな本屋が本だけで採算を取るのは難しい、ということでした。

 本の中で何度も書かれていましたが、その理由としては、

①本自体の利益が少ないこと、

②大量の在庫を抱えないといけないこと、

③毎月の支払金額を考えた仕入れが難しいこと

 などが挙げられていました。

 

 わたしの地元も本屋は年々減っています。

 ぼんやりと理由はわかっていたものの、そこに若者の読書離れ、電子書籍の台頭、などが重なると……苦しい現実が見えてきます。

 

 それでも、くすみ書房はそんな危機をユニークな企画で乗り越えてきました。

 

 

「本の力」のすごさを知った

 

 この本の中で久住さんは、「本には全ての答えがある」「本には人生を変え、奇跡を起こす力がある」と何度も力説されています。

 実際にそれは読んでいるとわかるのですが、初めのピンチを乗り越えた話を読んだ時、わたしは思わず泣きそうになりました。

 

 本を売るために久住さんが行ったことは、人を集めること。

 斬新な企画を打ち立て、新聞やTVなど、各メディアを巻き込むことで話題を呼び、本が瞬く間に売れて行ったのです。

 それも、売れなかった本たちが。

 

 この一連の流れは本当に感動するので、ぜひ読んでほしいです。

 それからも、奇跡は何度も起こりました。

 

 

久住さんが考えた「奇跡の本屋」とは……?

 

 これは読んでからのお楽しみになりますが、わたしはそんな本屋さんがあればいいなと思いました。

 

 でも、わたしは、くすみ書房こそ「奇跡の本屋」だったのではないかなと思います。

 これだけたくさんの奇跡を起こして、たくさんの人に本の力を伝えて、愛されていた本屋さんだったのですから。

 

 

まとめ

 

 本屋さんの本、というはそれだけで魅力的でたびたび読んできたジャンルではあります。

 けれど、もう存在していない本屋さんの本、というのは初めてでした。

 それに、著者も亡くなっており、残された原稿を元に、この本は作られました。

 解説は生前久住さんが信頼されていた中島岳志さん。あとがきは久住さんの娘さんが書かれています。

 

 閉店を惜しまれるお店、というのはそれだけ店主のお人柄が現れていたのだと思います。

 久住さんは常に笑顔で、優しい人だったそうです。

 その影にはたくさんの苦労や悲しみや不安があったのだと思います。

 

 そして、遺稿が本になったおかげで、わたしはこんな素敵な本屋さんがあったということを知ることが出来ました。

 ですから、多くの人に「くすみ書房」という素敵な本屋さんがあったことを知ってほしいと思います。

 

 ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

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